研究開発

dPaCS-MDMSM

・複合体マルチコンフォーメーション解析
・APOマルチコンフォーメーション生成、タンパク質間ネットワーク推定
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開発責任者
北尾 彰朗 (東京工業大学 生命理工学院 教授)

主な開発者
北尾 彰朗 (東京工業大学 生命理工学院 教授)
Tran Phuoc Duy (東京工業大学 生命理工学院 助教)
畑 宏明 (東京工業大学 生命理工学院 研究員)

内容
タンパク質複合体の解離シミュレーションによってタンパク質複合体の結合エネルギー・解離速度定数・結合速度定数を計算

どんなことができるか
実験値と比較できる精度で結合エネルギー・解離速度定数・結合速度定数を計算することができる。

関係論文
【参考文献】
[1]DP Tran, K Takemura, K Kuwata, A Kitao, Protein–Ligand Dissociation Simulated by Parallel Cascade Selection Molecular Dynamics. Journal of chemical theory and computation 14 (1), 404-417 (2018).

[2] DP Tran, A Kitao, Dissociation Process of a MDM2/p53 Complex Investigated by Parallel Cascade Selection Molecular Dynamics and the Markov State Model. The Journal of Physical Chemistry B 123 (11), 2469-2478 (2019).

[3] H Hata, Y Nishihara, M Nishiyama, Y Sowa, I Kawagishi, A Kitao, High pressure inhibits signaling protein binding to the flagellar motor and bacterial chemotaxis through enhanced hydration. bioRxiv, 762922 (2019).

使用例

【タンパク質ーリガンド複合体の結合自由エネルギー計算】
1. 解離型PaCS-MD(dPaCS-MD/MSM)とMSMを利用することで超並列・低コストでリゾチーム・TriNAGの結合自由エネルギーが計算できることを示した。(参考文献[1])

【タンパク質ーIDRペプチド複合体の結合自由エネルギー・キネティックス計算】
2. ガン抑制因子であるタンパク質の天然変性の性質を持つN末端部位とタンパク質MDM2の結合親和性をdPaCS-MD/MSMで調べ、標準結合自由エネルギー、解離速度定数、結合速度定数を実験値を再現するように計算できることを示した。(参考文献[2])

【タンパク質ーペプチド複合体結合安定性への圧力効果】
3. 大腸菌の走化性を制御するシグナル蛋白質CheYとべん毛モーター回転子FliMの結合が圧力によって変化し、高圧では走化性が失われるメカニズムを明らかにした。(参考文献[3])

マニュアル・チュートリアル資料
竹村和浩、畑宏明、北尾彰朗、タンパク質複合体形成・解離メカニズムと予測、日本物理学会誌、74(8), 533-541 (2019)

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ソフトウェアのホームページ・入手方法
通常のMDプログラムとMSMBuilderあるいはpyEMMAの組み合わせで実行できる。

問い合わせ先
北尾 彰朗(akitao@bio.titech.ac.jp)
   
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