研究概要

プロジェクトの目的

ポスト「京」により、超高速分子シミュレーションを実現し,副作用因子を含む多数の生体分子について,機能阻害ばかりでなく,機能制御までをも達成することにより,有効性が高く,更に安全な創薬を実現します。

本研究の目的

この十数年、製薬業界では、世界的規模で、新薬の承認数が横ばい状態(20品目程度/年)であるのに対し、研究開発費が増え続けているという深刻な問題に直面しています。開発費を抑えながら、効率的に新薬を開発することは、製薬業界にとっての重要課題の一つであり、計算機シミュレーションによる創薬に大きな期待が寄せられています。しかし、現状の創薬計算技術は、予測精度の低さや評価できる化合物数・標的タンパク質数の限界などの問題から、実際の実験に置き換わるほどの革新的技術に至っていません。本研究では、ポスト「京」の演算能力を最大限に活かす分子シミュレーション技術を開発することで、生体分子システムの時間的空間的機能解析に資する新たな計算生命科学を開拓するとともに、これらを用いた創薬計算フローと次世代創薬計算技術を開発することで、高精度かつ超高速の革新的な創薬計算基盤の構築を目指すものです。ポスト「京」を基軸とした創薬計算基盤を製薬会社に提供することで、医薬品開発が加速され、画期的新薬や希少疾患薬の創出に貢献することをめざしています。

TOP