研究概要

研究体制と課題構成

本重点課題では、創薬分野および構造生命科学の進展にとって重要な3つのテーマ「長時間分子シミュレーション」「超大規模生体分子システムシミュレーション」「創薬ビッグデータ統合システム」を3つのサブ課題共通の全体目標として設定しました。

ポスト「京」のパワーを創薬に直結する研究体制

図:研究体制

研究課題構成
[課題責任者:理化学研究所 奥野 恭史]

本研究は、ポスト「京」とのコデザインによって分子動力学計算の超高速化と創薬計算要素技術の深化を図るサブ課題A、ポスト「京」仕様の分子動力学計算法を新たな構造生命科学の開拓と次世代創薬計算技術に応用するサブ課題B、およびサブ課題Aとサブ課題Bで開発された計算技術を実践的な創薬計算フローとして統合化し製薬会社に提供するサブ課題Cの3つのサブ課題で研究を遂行します。

サブ課題A:ポスト「京」でのMD高度化とアルゴリズム深化
[サブ課題責任者:理化学研究所 生命機能科学研究センター 杉田 有治]

コデザインによって分子動力学計算を超高速化するとともに、新しい構造探索技術、自由エネルギー評価法、長時間構造変化解析手法、量子化学計算法などを開発し、実アプリケーションでの評価を行う。

サブ課題B:次世代創薬計算技術の開発
[サブ課題責任者:横浜市立大学 生命医科学研究科 池口 満徳]

大規模HPC技術を十分に活用して、創薬を高度化する計算技術を開発する。具体的には、動的分子機能やタンパク質間相互作用の制御、細胞内環境、ウイルス環境を考慮した創薬等、従来の計算創薬では実現できなかった計算創薬技術を開発する。

サブ課題C:創薬ビッグデータ統合システムの開発
[サブ課題責任者:理化学研究所 生命機能科学研究センター、京都大学大学院医学研究科  奥野 恭史]

大規模な候補化合物と複数の創薬標的・副作用関連タンパク質の莫大な組み合わせからベストな医薬品候補化合物を高精度かつ超高速に予測できる創薬計算技術を開発し、サブ課題Aとサブ課題Bで開発される分子動力学計算ソフトおよび創薬計算技術とともに、創薬計算フローに沿って連結した統合システムを開発する。


TOP