研究概要

ポスト「京」重点課題1について

文部科学省が推進する、フラッグシップ2020プロジェクト(スーパーコンピュータ「京」の後継機となるポスト「京」の開発プロジェクト)において、国家基幹技術として国家的に解決を目指す社会的・科学的課題として9つの重点課題が設定され、その中の重点課題1「生体分子システムの機能制御による革新的創薬基盤の構築」の実施機関として、理化学研究所生命機能科学研究センター(課題責任者:奥野 恭史・客員主管研究員)が選定され、2015年2月よりプロジェクトがスタートしました。

9つの重点課題のうちライフサイエンス分野ではこれまでHPCI戦略プログラム分野1「予測する生命科学・医療および創薬基盤」で取り組んできた研究課題によって実験、医療、創薬から得られた生命ビックデータをモデル化し、「京」などのHPCを用いてシミュレーションが可能となったことにより世界初の成果を挙げることができました。そしてその計算結果を実験、医療、創薬にフィードバックする連携体制が出来上がりました。これらは今後さらにその成果を生命科学、医療、創薬の発展に活かそうと重点課題のカテゴリ「健康長寿社会の実現」ヘと発展していきます。


図:生命科学の新たな時代を切り拓いた計算生命科学

 

2016年6月には萌芽的課題の実施機関も発表され、2020年のポスト「京」の稼働に向け、以下のフェーズで研究開発に取り組んでいます。



重点課題、萌芽的課題 実施機関

ポスト「京」で取り組むべき課題は、文部科学省における学界・産業界の有識者からなる「ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題についての検討委員会」において、以下の3つの観点から検討されました。 ①社会的・国家的にみて、取り組む意義が高いか ②世界をリードするような成果が期待されるか ③ポスト「京」の性能を有効に活用できるか その結果、2014年8月に以下の9つの重点課題が決定されました。 2014年12月には各課題の実施機関が決定し、2015年から活動を開始しています。

各重点課題のウェブサイトに移動します。
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HPCI戦略プログラム分野1「予測する生命科学・医療および創薬基盤」

HPCI戦略プログラムは、スーパーコンピュータ「京」を中心としたHPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)を最大限に活用することによって、戦略的に取り組むべき5つの研究分野において画期的な成果を産み出し、計算科学技術の飛躍的な発展を目指す文部科学省のプログラムです。2011年4月に発足し2016年3月で終了しました。 5つの研究分野のうち生命科学分野を担う「分野1 予測する生命科学・医療および創薬基盤」は理化学研究所 HPCI計算生命科学推進プログラムが代表機関となり、全国の大学、研究機関が参画し共同して研究を行なってきました。研究課題をそれぞれ、「細胞内分子ダイナミクスのシミュレーション」、「創薬応用シミュレーション」、「予測医療に向けた階層統合シミュレーション」そして「大規模生命データ解析」の4つを設定し、各課題では「京」で動作するアプリケーションの研究開発を行い、ゲノム・タンパク質から細胞・臓器・全身にわたる生命現象を統合的に理解する事により、疾病メカニズムの解明と予測を行うシミュレーション研究を進めてきました。これらは医療や創薬プロセスの高度化への寄与が期待されています。また、研究活動だけでなく計算科学技術コミュニティの発展や人材育成を目指して、計算科学技術推進体制の構築も行ってきました。


【5年間の成果報告】
平成27年度 研究開発 計算科学技術推進体制の構築
平成26年度 研究開発 計算科学技術推進体制の構築
平成25年度 研究開発 計算科学技術推進体制の構築
平成24年度 研究開発 計算科学技術推進体制の構築
平成23年度 研究開発 計算科学技術推進体制の構築

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